夜道を歩いて帰る五分の間に電話があったらしく、ポケットから出した青い携帯電話がチカチカと光を放っていた。

「母さん」

美和子かと思い携帯を開いたが、その相手は母親だった。思わず声が出る。
 
留守番電話にメッセージが登録されています、と小さな字が浮かび上がっている。
 
俺は耳に電話を当て、再生のキーを操作する。
 
もしもし? 元気? あんた、ゴールデンウィークはいつ帰ってくるのよ。急に帰ってきても、ご飯なんてありませんからね。