人がいない家の中は暗く、外と同じくらいひんやりとしていた。



「その辺テキトーに座ってて」



エアコンとこたつの電源を入れた瞬ちゃんがリビングに続く和室を開けると、布団が一組敷かれていた。

きっとお兄さんの奥さんが準備してくれたものだろう。
ふすまが閉じられる。



こたつの中に足を入れて、買ったまま飲むのを忘れていたコーヒーに口をつける。
少し冷めていた。



お兄さんが結婚してここに奥さんと住むようになって、家の中は私が知っている頃とは変わったけど、やっぱりどこか懐かしい。