……本当に、なんの仕事をしてるんだろう。

1年間、海外に行ったかと思えば、しばらくは家にいても大丈夫だと言うし。
ネットがあれば済むような仕事って一体なんなんだろう。


何度か仕事の話をしようとしたけど、その度に瞬ちゃんは困ったように笑ってはぐらかす。

あまりしつこく聞くと一緒に住む前に出ていってしまう気がして嫌で、私もそれから深く聞けないでいる。



「じゃあ行くか。もう少し付き合ってもらってもいい?」

「うん」



こうして何事もなく会話ができているけど、別れてからの10年で、私と瞬ちゃんの間には明らかに高くて見えない壁のようなものができていた。