「三が日って店開いてるんだっけ」



車に乗り込んだ瞬ちゃんがスマホをいじりながら聞いてきた。



「えー、どうなんだろう、スーパーとかちょこちょこやってたけど」

「じゃあ大丈夫か」



スマホをコンソールに置いて、車がゆっくりと駐車場から出ていく。

瞬ちゃんが大型のインテリアショップに行くと言った。



「道、わかる?」

「うん。俺、この辺りに住んでたから」

「えぇ!?」



知らなかった。ここには4年住んでいるけど、瞬ちゃんには一度も会ったことがない。



「だから、香穂のことも見たことあるし、香穂の旦那の顔も知ってる」

「え、待って、怖い!」

「なんで、べつにストーカーしてたわけじゃないし」



俺の方が長く住んでるのに、と瞬ちゃんが笑った。