今でも後悔している。

だからこの前、10年振りに偶然再会したとき嬉しかったけど、本当は申し訳なさ過ぎて逃げ出したかった。
なのに付き合う前と変わらない態度で話しかけてきた瞬ちゃんを見て、安心したと同時に悲しかった。

瞬ちゃんはもう、完全に私とのことを精算できているんだと、そう思った。
だから簡単にモトカノと住もうなんて言えるんだと。


瞬ちゃんにとって今の私は、モトカノですらない、付き合う前のただのご近所さんなのかもしれない。




『明日、午後イチでそっちに着くようにするから』



忘れようとしていたことを一気に思い出して感傷的になっていた。
『了解』のスタンプを送信して、スマホの明かりを消した。