離婚を切り出したのは、旦那からだった。
朝起きたら記入済みの離婚届がテーブルにあげられていた。
悲しくなかったし、泣かなかった。
やっとこの人と離れられるという安堵感の方が強かった。

2人で住んでいた部屋に、私は今も1人で住んでいる。
将来、子供ができたらと想像して借りた、2LDK。
子供ができるまではと、彼の部屋になっていた一室は今は空っぽで、掃除のときにしか入らない。
悲しくないはずなのに、何も無い部屋を見ると虚無感のようなどうしようもない感情がこみあげてくる。

引っ越したいけど、お金と時間の余裕がないまま、2年が過ぎていた。
あと1年で更新の時期が来る。年が明けたら真っ先にどうにかしたい。


そんなことまでペラペラ話しても、瞬ちゃんは私と彼どちらの肩を持つわけでもなく、ずっと相槌を打っていた。