鍵を閉めたドアの向こうで、ミャーミャーと聞こえるそらくんの声に心が揺れる。
いつもなら、こんな事ないのに…
ドアの外で待っていた高橋さんが私の顔を見て、頭をぽんぽんと撫でる。
「そらに土産でも買ってやろ」
「…うん」
私の肩を抱いた高橋さんにドキッとし、一瞬で心は彼でいっぱいになる。そのままマンションを出たら、駐車場に見かけないシルバーのSUV車が止まっていた。
うわぁ、高そうな車だ。
彼がズボンのポケットからキーを出した瞬間、エンジンがかかり、誰も乗っていないのに…と驚く私の横で、高橋さんはクスクスと笑い、乗るようにと助手席側のドアを開けてくれたが、彼女扱いされている気がして、戸惑う。
だから、つい…
「乗っていいの?」
「当たり前だ…ほら、そのステップに足かけて乗れよ」
車なんて、父親が運転するファミリーカーでしか乗った事がないので、高級感のある車内に萎縮して身を縮めている間に、運転席に座った彼がクスリと笑う。そして、こちら側に身を乗り出してくるのでドキッとしてしまう。そんな私を揶揄うように、彼はジッと私を見つめながらシートベルトをつけていく。
「緊張し過ぎ…まぁ、そんなとこもかわいいけど」