彼女は挨拶をすませると、不自然に空いていた俺の席の隣にちょこんと座った。

「よろしくね!」

ニコッと笑う彼女につられて、俺の頰も自然と緩んだ。

「俺は小峰大地。よろしくな」


彼女はまたニコッとして、前を向きなおした。


この子と青春したい。


最初はそんな浅はかな気持ちだった。


人懐こい彼女がクラスで馴染むのに時間はかからなかった。

可愛くて明るい彼女はすぐにたくさんの友達ができた。

そんな、いつもニコニコしている彼女を、俺は気づけばいつも目で追っていた。

だけど、

時々、ほんの一瞬、哀しげな切ない表情を浮かべるのは、気のせいだろうか?