「送ったよー」

「はいよ、受け取った。 美麗はどうする? ……おい美麗、聞いてるか?」



ん?

美麗?



「……って、私っ!?」

「他に居ないじゃん」



寄りかかってた時雨くんが体勢を直し、呆れた顔で私を見た。

ずっと「ニセ美麗」って呼んでたのに、急に「美麗」って呼ぶなんて…どういう風の吹き回しだろう……。



「交換すんの? しないの?」

「あ、しなくて大丈夫です」



とりあえず、速やかに断ろう。

今の状況だって面倒臭いのに、これ以上 超絶イケメンと関わりたくないし……。



「私はひっそりと写真が眺められれば それでいいので」

「そ。 じゃあフォローしといて。 俺もフォローし返すから」

「えぇー……」


「お前…どんだけ俺と接点を持ちたくないんだよ。 まぁいいや、なんか用があれば教室まで行けばいいだけだし」

「え……それはそれでイヤなんですけど……」

「ワガママだなオイ。 別にマメに連絡し合おうって言ってるわけじゃないんだから いいじゃん。 時々写真の話がしたいだけだよ」