「ウッソだろ……」
時雨くんは、口をパクパクさせながら私と和真を何度も交互に見ている。
ほんと、ごめんなさいしか言えない……。
「……唐草 美麗は男……? あんなにたくさん可愛い写真をアップしてるのに、男……?」
「可愛いもの好きに性別は関係ないっしょー。 ほら、円くんだってメッチャ可愛い猫の写真とかアップしてるじゃん? それと同じだよ」
「いや…そりゃあまぁ……そうだけどさ……」
「幻滅させちゃってごめんね? でもこれがリアルの俺なんで、以後お見知りおきをー。 あ、念のため言っとくけど、俺 男性と付き合う気はないから間違っても告白しないでねっ」
「……俺だって男と付き合う気なんてねぇよっ。 ハァ……でも、マジかぁ……」
ベンチの背もたれに体を預けながら、時雨くんは空を仰いだ。
ため息だけが虚しく響く。