「……あ、もしかして和真も色々設定を変えながら撮ってるのかなぁ……」

「和真?」

「あぁ私の弟だよ。 弟も写真を撮るのが好きで、結構な頻度でSNSにアップしてるんだ」


「へぇ、和真…ね。 話が合いそうだし、良かったら紹介してよ」

「うん、もちろん……ってダメダメっ!! 絶対ダメっ!!」



私の馬鹿っ。

本当にもうっ、うっかりにも程があるっ……。

サラッと和真の名前を出しちゃったけど、紹介なんて出来るわけがない。


だって和真は、時雨くんが惚れてる「唐草 美麗」なんだから……。



「う、うちの弟っ、私以上に変人だから時雨くんとは気が合わないよっ……!!」

「そんなの会ってみなきゃわかんねーじゃん」

「いやいやっ、わかるっ!! 絶対に合わないからっ!!」


「お前…どんだけ焦ってんだよ。 和真ってそんなにヤバい奴なのか?」

「ヤバいよっ!! 死ぬほどヤバい奴だからっ!!」



だからもうこれ以上は和真のことは聞かないでくださいっ!!

と必死に目で訴えていたら……、



「誰が死ぬほどヤバい奴だって?」



……と、どこか呆れた声が公園の入り口から聞こえてきた。