「あの……勝手に見ちゃってごめんね。 でも二人のアカウントは誰にも言わないから安心して?」

「サンキュ。 とりあえずベンチに座る?」

「うん」



周りに人が居ないのを十分に確認したあと、ベンチに向かった。



「はい、携帯。 好きに画像見ていいよ」

「ありがとう」



ベンチに並んで座り、時雨くんから受け取った携帯を操作していく。

画像フォルダには たくさんの写真が並んでいた。



「わぁっ…いっぱい撮ってるんだねっ」

「うん、気に入るまで何回も撮るよ。 で、奇跡的に上手く撮れたやつをアップしてるんだ」

「あ、確かにブレてるやつもあるね。 それはそれで面白くて好きだけど」


「あはは、じゃあそのうち あえてアップしてみるかな。 あぁこれ、今さっき撮ったやつだ。 太陽が沈みかかって、雲が赤くなってるだろ? こういうの好きなんだ」



薄暗くなった空に映える、真っ赤に染まった雲。

……凄く綺麗だ。