通学路から1本外れた道を進むと、小さな公園がある。
普通なら通らない道だから生徒たちは知らないだろうけど、私にとってはそっちの道が通学路。
ということで、学校のそばにある小さな公園のことは前々から知っていた。
もしかして時雨くんは、今この場所に……?
どうしよう。
公園に行きたい。
どんな風に写真を撮ってるのか見てみたい。
でも朝のことを思い出すと、時雨くんには会いたくない。
うう…微妙な心情だ。
「いや、でもあの公園は私の通学路に隣接する公園だし? 家に帰るためには絶対に通らなきゃいけないんだから仕方ないよねっ」
誰に言うでもなく…自分で自分に納得させるために言う。
「……よしっ、帰ろうっ」
「マル」が居ますようにっ。
時雨くんは居ませんようにっ。
と無茶苦茶なことを思いながら、私は荷物をまとめて教室を出た。