「あ、あの伊勢谷くんっ、今のはそのっ……」
「唐草 美麗のフォローからマルのアカウントを見つけて、俺のアカウントにもたどり着いた…ってところかな?
この場所この構図で写真を撮ってるのを見た時から、マルの模倣だなって気づいてたよ」
「うっ……」
……どうやら最初からバレてたらしい。
慌てて笑顔を取り繕った私っていったい……。
「……ごめんね。 時雨くんが唐草 美麗とDMでやり取りしてるって聞いたあと、なんとなく時雨くんのアカウントが気になって……それで伊勢谷くんのアカウントにも たどり着いたんだ……」
「ま、別に何も呟いたりしてないからいいけどね。 あぁでも、みんなには内緒だよ?」
「……え?」
「俺のアカウントもマルのアカウントも、誰にも言ってない秘密のものだから」
伊勢谷くんは、自分の口元に人差し指をあてながら微笑んだ。
……イケメンさんの微笑み、ヤバいくらいにカッコイイ。
ファンの子たちが見てたら卒倒ものだろうな。
ちなみに私はファンじゃないから全然平気。
それに、美形の弟と毎日顔を合わせてるからか、「容姿の良い男」には どうやら耐性があるらしい。
カッコイイなぁとは思うけど、胸がドキドキするなんて一切ない。
イケメンだろうと超絶イケメンだろうと、私からすれば みんなただの男だ。