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翌日。
いつもよりも20分以上早く学校に着いた私は、自分の教室をスルーして2年1組に向かった。
「よかった、まだ誰も居ない」
2年1組は時雨くんのクラス。
そして……昨日の写真が撮られた場所だ。
「大体…この辺りかな?」
写真が撮られただろう場所に立って、教室を見渡す。
少しだけ曲がった机の列。
チョークの跡が残る黒板。
……やっぱりこの場所で間違いない。
時雨くんは、この教室で写真を撮ったんだ。
「うーん……でもやっぱり、私が撮っても綺麗にはならないなぁ……」
携帯のカメラを構えてシャッターを切ってみるけれど、なんだかパッとしない。
光の加減?
それともピント?
……全然わからない。
「あれ? 美麗さん?」
「……っ……」
背後からの声に、体がビクッと反応する。
恐る恐る振り返ると、ドアのところに立ってる伊勢谷 国虎くんと目が合った。