リカ、あの頃は楽しかったね。



リカだけでなく、カオリさんやこの子たちみんながいるシュールが好きだったよ。



ひょっとしたら、リカの居場所、もっと詳しく知っている子が、この中にいるかも?



でも、聞くのはやめておこう。



リカも何かワケがあって、僕の前から姿を消したんだから。



もう今日でよくわかったよ。



あの頃のシュールも、あの頃の僕らも、もうなくなってしまったんだ。



リカのこと、今でも大好きだけど、これからはメールも電話もしない。



リカは、リカの選んだ道を進んでください。



けっして後ろを振り返らずに。



そう、あのとき、僕らが始めて一つになった、あの汐留のイタリア街のホテルで、翌朝君を見送る僕を、君は一度も振り返らなかったように。



ちっちゃいけど、淡々としていて妙に大人っぽい、君の後姿。



その後姿を、僕は一生忘れない。



さようなら、リカ。