午後の授業が終わり、ユウキは、帰る用意をして、栗原先生のいる経営学部へ歩いて向かう。



途中、ミヒロがいる文学部の前を通ったが、ミヒロには会わなかった。



今のユウキは、ミヒロに会いたいような会いたくないような、微妙な気持ちだ。



会ったら会ったで、うれしいけど、いざ会ってしまうと、実習中にちょっと好きになってしまった気持ちがまた出てきそうで、こわい。



ミヒロは、学生、学生、学生。



ユウキは、念仏のように唱えた。



でも、ミヒロが彼氏といるところは、見たくないなあ。



てことは、やっぱり好きなのか?



いや、たぶん、これは、父親が娘の彼氏にヤキモチをやくようなものだ。



ミヒロのこと、考えるのはよそう。



そう色々と考えているうちに、ユウキは経営学部に着いた。



ユウキは、栗原先生の部屋まで行き、ドアをノックして開けると、栗原先生もちょうど帰り支度をし終わったところで、すぐに部屋から出てきて、部屋の鍵をかけた。



栗原先生とユウキは、経営学部の建物を出て、車に乗り、繁華街へと向かう。