夏の環境調査実習からちょうど一週間が経過した頃、昼休みに研究室で弁当を食べていたユウキのケータイが鳴った。



着信の表示を見ると、久々に栗原先生からだった。



電話に出るなり、ユウキは、「こんにちはー、お久しぶりです」と言った。



栗原先生は、いつもの調子で、「おう、元気か？　ユウキ、お前、今日の夜って、あいてるか？」と聞いてきた。



「はい、とくに予定はありませんけど」。



「じゃあ、久々に飲みに行くか？　他にバスケ部のＯＢも何人か誘ってるから」。



「そうですね、先生とは本当に久しぶりですし、じゃあ、行きますよ」。



「それなら、俺が繁華街まで乗せてってやるよ。今日の夕方、授業が終わったら、俺の研究室まできな。俺はいつものように最後は代行で帰るから」。



「わかりました。お願いします」と言って、電話を切った。



栗原先生は都市部の中心に住んでいるので、繁華街で飲んでも家まで代行で帰れる。



自分はまた終電になりそうだが。