ユウキは、息を切らせながら、「ハア、ハア、ハア、ミヒロ、お前、逃げ足だけは速いな」と声をかけた。



「ハア、ハア、ハア、そうなんです、逃げ足だけは、誰にも負けませんよ」。



「でも、さっき僕を見捨てたろ? 今だけ彼女のくせに」。



「バレました。ごめんなさい、ダーリン、許して、チュッ」と軽く投げキッスをした。



「しかし最後、フェンスにぶつかっちゃったよ、イター」。



「だ、だ、大丈夫ですかー?」。



「大丈夫です、ちょっと足、打っただけ」。



「よかった」。