「じゃあ、方角がわからないじゃないですか、やっぱ、あたしたちここで迷って死んじゃうのー、いやーーー、だったら、もっとケーキとか甘いもの、食べとくんだったーーー」。



「ミヒロ、普通そこ、彼氏に会いたかったとか、親に会いたかったとかでしょ」。



「だって、一生懸命甘いもの我慢して、ダイエットして、死んだら意味ないじゃーん!」。



「じゃあ、生きて帰ったら、何か甘いもの食わせてやるよ」。



「ヤッター! 先生からご飯&デザート、ゲット!!」。



「ご飯もおぼえてた?」。



「当たり前ですよッ」。



「よし、じゃあ、とりあえず何でもいいから山の低い方へ、ゆっくり下りて行くぞ」。



「了解なりッ」。



しかし、調子の悪いミヒロといっしょなので、そんなに急いでは行けない。



二人は、ゆっくり歩きながら、ふもとを目指した。