ユウキは、その用紙をミヒロに見せて、「はい、これ、僕らが今までやってた作業、今はこの機械で一瞬にしてできるんだ」。



ミヒロは、その検査紙に様々な項目に分かれた数値がプリントされているのを見て、「え～～～～ずるい、センセー、だったら、それ、先に使えばよかったじゃないですか～～～！！」。



「ダメだよ、一応練習で、手作業でもできるようになってもらわないとね。この機械がいつもあるとは限らないでしょ。バッテリーが切れることだってあるんだから、べんきょー、べんきょー」。



「そっ、それも、そうですけど、先にそれがあるって、言っといてくださいよッ。もう」とニッコリ笑った。



笑った顔もリカにそっくりだけど、リカは、八重歯があったので、笑うと口元は少し違う。



その八重歯が、かわいくて、ユウキは大好きだったけど、リカは気にしてた。



いけない、いけない。



ユウキは、ミヒロの一つ一つをリカと比較してしまう。



実習初日の午前中は、ユウキにとっては、もう水質検査ではなく、リカちゃん検査だった。