ユウキは、スポイトで水を採取し、それを何本かの試験管に分け、何種類かの検査薬をサンプルに混ぜていく。



ユウキは、ミヒロにその反応を比べさせたあと、試験管の中身を捨てて、川の水で軽く洗い、使用済み用の小さなバケツの中に入れるように指示した。



ペーハー(水素イオン濃度指数)やリン、アンモニアなど、計測する項目は結構多い。



ミヒロは、使用済みの試験管を片付けた後、新しい試験管を箱から取り出し、すぐにユウキに渡してくれる。



ミヒロは、かなり気が利いてしっかりした子のようだ。



今日使っている試験管は、通常のものより細くて小さなものなので、ミヒロは下に落とさないよう、ユウキの手のひらに丁寧に試験管を数本ずつ置いてくれる。



試験管を渡すとき、二人の手が、時々触れ合う。