さて、夏の環境調査実習だが、大学からバスで四国の山中へ向かう。



主な調査の内容は、その山中の近くを流れる大きな河川の水質調査と、森林の動植物の生態系の調査だ。



大体、参加学生40名を10人程度ずつ4つの班に分け、一方の2つの班が河川、他方の2つの班が森林を担当する。



班分けは、ユウキがすでに大学ですませてきている。



ユウキの場合、いつもコンピュータのソフトで、学部や学科、学年、性別などが偏らないように、学生をできるだけ機械的に振り分ける。



木崎先生のように、自分のお気に入りの女の子だけを自分の班に振り分けるようなことはしない。



ただ、ユウキが担当する2班の名簿には、偶然にも、あの「前田みひろ」の名前があった。