そんなことが頭をかけめぐったあと、ユウキは、「えーと、落選した子については、何もしなくていいよ、自分はどうだったの?」とわかっているのに聞いた。



その子は、「アタリでしたー!!」とニッコリ笑って答えてくれた。



それからすぐにその子は、「センセーこれ、センセーに渡していいですか?」と履修登録用紙をユウキに見せた。



ユウキは、「よかったね、じゃあ、その用紙預かるよ」と答えて、その子の履修登録用紙を見た。



用紙には「所属:文学部 氏名:前田みひろ」と書いてあった。



「『ミヒロ』かー、明るそうでいい名前だな。しかも学部の後輩だし」とユウキは思ったが、それ以上その子には何も話すことができなかった。