ユウキが後ろを振り向いた瞬間、例のあの子がいた。



「センセー、あのー、今日欠席しますと連絡した友達の分もクジを引いたんですけど、その子の分は、ハズレクジでした、何もしなくて大丈夫ですか？」。



ユウキは、一瞬ドキッとして、その子を見つめると、心がギュッとしめつけられる思いがした。



「リカ」。



そう言いながら、その子を抱きしめられたら、どんなに楽だったろう。



１年以上行き場を失っていたリカへの想いをユウキは彼女にぶつけることができたかもしれない。



だが、この出会いが、その後のユウキをさらに苦しめることになろうとは……。