しまった、

なんて思っても、もう遅い。

誘導尋問にまんまとひっかかったというわけで、副業のみならず、そういうプライベートな事情まで知られてしまった。

ますます、本業の職場で顔を会わせたくなくなってしまう……

そんな事を思って、ブルーな気持ちでいると、

カタン、と、先ほど手渡した夕食がのったお皿を靴箱の上に置いた高輪マネージャー。

すると、次の瞬間、


「……!?」


突然、

左腕を強く掴まれる感触。

な、何……?

と、思った時には、ぐいっと強く引き寄せられて、

完全に高輪マネージャーの部屋内に身体が入り込んでしまっていた。

バタンッ、

と、音を立てて閉まるドア。