「昨日の塗りたくっただけの厚化粧は夜仕様?」

「え?」

「今日のメイクのほうが良いね。まぁ、良いって言っても昨日よりマシって程度だけど。やっぱ、どうメイクしてもベースの肌が荒れてるからだろうな」

「なっ……」

「まぁ話が反れたけど、ジッポの件は宜しく頼むよ」


チクリと、か弱い部下のお肌事情を指摘したかと思えば、いきなり話題を戻し、


「じゃあな」


とコツコツ革靴の音を響かせて歩いて行ってしまう。


「・・・・・・」


やっぱり本当の第一印象通り感じワル。