いけない。

傷心モードがオン。

恋愛の事を考えてしまってる。

気を取られていたら、またミスをしてしまいそう。

あれから新堂会長の件は大丈夫だったのかな……

残りの時間はちゃんと集中してしっかりやらなきゃ。

その為には、早く食堂に行って、ちゃんとご飯を食べよう。

そう思って、制服の内ポケットに模擬挙式の写真をしまう。

すると、


「瀬名藤子」


私の名前をフルネームで呼ぶ声―…

しかも、何だか偉そうに。

ああ、もう……

結局このパターン。

何時も何時も何時も。

この高輪薫という男は、良いタイミングでも悪いタイミングでも現れる。

これで意識しないってほうが無理。

さっきの新堂会長の件―…なのかな……

きっとそうだと思うけど、別の件でという事なら、

お願いだから、しばらくそっとしておいて欲しい。