“隣人に失恋”
で、直ぐに引越しなんて出来るわけない。
出来るなら、今日にでも引越ししたいけど、現実問題、直ぐには無理。
“上司に失恋”
で、仕事を休むわけになんていかない。
一日休めば、翌日は更に職場に行きにくくなる。
大体、直ぐに職場を辞める、なんて社会人としてあるまじき行動。
そういうワケで、
瀬名藤子、二十三歳。
今朝も住み慣れた部屋から出勤して、ちゃんと仕事をする為に職場に来ました。
泣きじゃくって、翌朝、やっぱりとんでもない事になっていた顔は、ホットタオルとマッサージと本業にしては何時もより濃い目のメイクで何とかカバー……
気持ちの面は、とにかく、高輪マネージャーの事を考えない事で―…
なるべく、バッタリと顔を合わせたりしてしまわないように行動するしかない。