嘘っ、ここにきてまさかの久々な胸のトキメキっ?

そんな事を思っていると、高輪マネージャーの視線は私から外されて、また社長と何か話をしながら歩いていってしまった。


「二人とも見とれすぎ」

「「えっ」」


高輪マネージャーが過ぎ去った後の神崎マネージャーの言葉に、またまたハモッてしまう私と美山ちゃん。


「社長がずっと前見て歩いてたからいいけど、仮に社長がこっち見たとしても二人とも高輪マネージャーしか眼中になかっただろ?」

「ス、スミマセンっ……」

「まぁ、確かに良い男だけどね。アイツは」

「アイツ……って、神崎マネージャー、親しいんですか?」

「俺が最初に勤めていたホテルで彼が学生時代にウェイターのバイトをしてたんだ。歳は少し離れているけど気は合ってね。ずっと付き合いが続いてる」

「そんなに前から親しいんですね―…」

「ま、この話はまた今度ゆっくり。今日はSコーポレーションの会長が19時に見えられて先ずはラウンジで食事をする事になっている。日勤でも明日があるから頭に入れておいて。それに宿泊予約が普段より多いから、チェックイン分の顧客リストのチェックを怠らないようにね」

「はい……っ」