「冷蔵庫に食材入ってますか?」
「いや、何も」
「それじゃ、作れません……」
さすが男の一人暮らし。
どうやら冷蔵庫の中身は空っぽのようだ。
仕方ないから、自分の部屋から何か持ってこようかな……
そう思って、一度、部屋に戻ろうかと思うと、
「近くのスーパーに一緒に買いに行こうか?」
そんな高輪マネージャーからのご提案が。
「一緒に、ですか?」
「ああ。一緒に買い物行って、瀬名さんが朝食を作って―…食べるのも一緒に」
「……」
「何か不服でも?」
「いえ……別に。でも……」
「“でも”何だ」
「外出するのに、こんな顔じゃ……」
「大丈夫、大丈夫。そんなに見れない顔はしてないから。ちょっと瞼が腫れて、メイクも崩れて、二日酔いオーラ丸出ししてる位、問題無し」
「問題大アリです」
ああ、やっぱりヒドイ顔してるのか……ちょっとへこんでしまう。
でも、
「大丈夫、大丈夫。それはそれで意外と可愛いから」
なんて言われて―…