「あ、あのね、」

『うん?』

「あのね、凌一……」

『どーしたの?もしかして営業電話とか~?』

「ちが……!そうじゃなくてっ」

『藤子から営業電話とか、かなりレアだなー。同伴の誘いだったらもっとレアだけど』

「だから、違うって!そうじゃなくて……っ」


相変わらずの凌一に、思わず声のトーンが大きくなってしまう私。

落ち着いてちゃんと伝えなきゃ、と、ふぅと静かに深呼吸をする。

そうじゃない。

こんなやりとりをしたくて連絡したんじゃなくて―…