これ以上、干乾びた女になりたくないとか、
一瞬でも、“女”になれる場所を失いたくないとか、
一欠片でも失いたくないなんて、そんな気持ちに負けてる場合じゃない。
縋っている場合じゃない。
“身体”だけとか“都合良い”とか、そんな関係じゃなくて、
ただ純粋に恋がしたい。
その人を想うだけで、幸せな気持ちになれるような恋が―…したい。
だから、
先ずは一歩、動き出さなきゃ。
凌一にはっきりと、伝えなきゃ。
明日とか、明後日とか、そのうち連絡が来た時とかに―…じゃなくて、
「今夜中に―…」
伝えなきゃ。
私はこのまま変われない。
そう心に強く誓い、私はフロントへと歩いた。