今日はそう割り切って笑えない自分が居る。


「藤子―…」


にこり、と笑いながら、私の名前を呼んで、ベッドから立ち上がった凌一。

そのまま私の傍に来ると、そっと腕を掴んで私を抱き寄せた。


「藤子が一番だよ―…」


そんな台詞の後に、首すじに感じる凌一の口びる。

スッと服の中に入っていく手。

下着の下にも入って来て、バストを揺さぶり始める。

以前までなら、こうして事を始めていけば、じんわりと濡れていくモノを感じていた筈なのに、


「―…」


今日はそれがない。

芯から感じる熱いモノもない。

今、私の心と身体を駆け巡っているのは、ただただ虚しさだけ。

何時もなら例え、虚しさがあっても、結局、勝ってしまうのは潤いを求める気持ちだった筈なのに……

そして、凌一の口びるの感触が首筋から消えると、

今度は、ゆっくりと距離が縮まっていく、私と凌一の口びるの間隔。