「特別な存在と言われてもなぁ……」
う~ん、と首を傾げて考える仕草をする凌一。
「どういう基準が特別なのかが解らないっていうか……タイミングが合うコと遊んで、こんな感じの付き合いの俺でも良いって言ってくれるコであればいいって思うし―…」
「タイミング……」
つまりは、凌一のペースで付き合ってくれるコなら誰でもいいって事だ。
少しでも興味が沸けば押してみて、受け入れの姿勢が見えればそのまま押して身体の関係になって……
だけど、お互いを束縛する様な深い付き合いはしない。
相手がそれを理解してくれなければ、それまでの付き合いで、
去るものは追わないってこと。
私との関係も、
私が“やめよう”と一言言えば、きっと凌一はあっさりやめてくれる。
そんな付き合いだってことは、既に十分わかっているのに、凌一を前にして改めて考えてみると何だかとても虚しい。