「Im checking out.Here is my roomkey.」
「Mr James Edwards?」
「Yes I am」
「Have you consumed anymini-bar last night?」
「No」
「Could we charge it……」
セミロングの髪の毛を後ろでキッチリまとめて、パープルのスカーフを首に巻き、紺色のスカートスーツに身を包む私は、
上品にスーツを着こなした、外国人男性と英語でやりとりをする。
高い天井に吊るされた煌びやかなシャンデリア、
綺麗に磨きぬかれた床、
ここから真正面の壁には大きな絵画―…
ここが私の本業の職場、
常盤国ホテル。
特別高級で世界に名を馳せるホテルというわけではないけれども、
その名の通り常盤国さんという人が創業した、
この辺りでは、まぁまぁそれなりのランクの老舗ホテル。