と、


『はい』


受話器越しに聞こえてきた高輪マネージャーの声。

わ。

出たっ、なんて思いながら、


「お、お疲れ様……です。瀬名ですけど、今、大丈夫……ですか?」


と、確認する。


『ああ。今なら大丈夫だが―…何かあったのか?』

「いえっ、そういうのじゃないんですけど……その、今日は日勤なので、夕食、何を作ったほうがいいかと―…」


少し、しどろもどろになりながらも、思い切って、今夜の夕食について伺ってみた。

けれども―…


『悪い。今夜は営業部の人間と食事に行くことになったから、』


“今夜はいい”

という、高輪マネージャーからの返答。