ペコリ、と頭を下げて、俯き加減のまま、自分の部屋に入る。
ドアをしめ、玄関に立ち尽くす私が思い浮かべているのは、高輪マネージャーの優しい笑顔―…
やだ。
何で、ドキドキしてるの？
あんな目にあった後だもの。
さすがに何時も通りに私をからかっていられないってことで―…
だけど、
何時もとは違って、優しく私に接してくれる高輪マネージャーを変に意識してしまう。
あの人はただ、
“同じ職場で部屋も隣り”
の関係として私を気に掛けてくれてるだけなのに―…
何時もは、腹が立つことが多いのに、
あんな場面があって、優しい顔を見せてくれた高輪マネージャー。
どうしてなのか、わからないけど、
彼の持つ、そんな一面が、
私の胸をきゅうっとしめつけた。
