「けど―…まさか、ストーカーじゃないだろうな」
「え……っ」
「偏見とかじゃないけど、ああいう副業はそういう行為に遭いやすいんじゃないのか?」
「確かに……そういう話も聞いたことありますけど……」
ホントについさっき、そういう事があるから気をつけて、
って、お店のコ達と話してきたばかりだった。
まさか、その矢先にこんな目に遭うなんて、思いもしなくて……
「ただの変質者かもしれないけど、って変質者であっても大問題だけど、そういう覚えはないの?」
そんな高輪マネージャーの問いに、言うべきか一瞬迷った後、
「え―…っと、実は、少し……」
と、一応、答えた私。
でも―…
「少しって―…」
「あっ……でも、何となく見られてるかもって思ったことがあるくらいで……さっきみたいな事は初めてですし……」
「……」
「私を狙ったストーカーっていうのは気のせいだとは思いますから……っ」
ストーカーかも、って思いはしたけれども、
ふとした瞬間に視線を感じるってだけで、自意識過剰かもしれない。
多分、今回はたまたま変質者に遭ってしまったのだろう、そう思う。