「こういう仕事してると、そういう体験って結構あるからねー…私も無言電話があったり、後をつけられたり、みたいな経験あるし」

「あ～…やっぱりそうですよね～マキさん、どう対処したんですか？」

「対処っていうか……私の場合はしばらく様子みてたら、ある日突然、パッタリなくなっちゃった感じだったけど―…」

「えー…っ、何もなく終わって良かったですねー」


大概、そういう行為って徐々にエスカレートしていくような印象があるから、

二人の会話を聞きながら、雅ちゃんの言葉に私も激しく同意する。


「ジュリちゃんはある？」

「え？」

「無言電話が架かったり、ストーカー行為っぽいことをされたりとか……」


今度はマキさんに尋ねられ、

私も少しだけ考えた後、


「う～ん。ないなァ……」


と、その時は小さく答えた。

けど―…