さっき、その口から聞いた、
“好きだよ”
なんて言葉が、頭の中で何度も再生されてしまう。
こんな今の心境を見透かされるのだけは避けたいと、高輪マネージャーと触れる手を引っ込めて、ペコリと勢いよく頭を下げる。
飛び出すように医務室を出てしまう私……
それから、
フロントに戻って業務を始めても、
休憩に行っても、
帰り道、自転車をこいでいる瞬間までも……
高輪マネージャーの微笑みと、
“好きだよ”
の言葉が浮かんできて―…
痛さとは違う何か別の感覚が、高輪マネージャーに処置をされた膝にも走った。
貰ったフリスクも未開封のまま。