それから翌日。


今日は体育はないから、

速水先生には会わないかな?


とか思いつつ登校する。




「おはよう〜」



「おはよっ?!


ちょ!どしたのその手!」



かなが私の手を見てびっくりしている。



「あぁ、昨日ちょっとね。」



「昨日?!


私も残っておけばよかった!


大丈夫?!痛い?!」



「ちょっと痛いけど大丈夫。


左手だし、利き手じゃないだけ楽だよ。」



「そりゃそうだけどぉ!


さーちゃんが痛いのは嫌だよ〜!」



ほんと可愛いな。



「大丈夫だから、

ほら、

泣かない泣かない。」



私はかなの頭を撫でる。



「うんン…。


痛かったら言ってね、

私に出来ることはするから。」



「うん。


ありがとう。


助かるよ。」



二人で学校へ向かい、授業を受ける。


今日は、

案の定速水先生とは会うことはなかった。


速水先生大丈夫かな?


昨日は痛くないって言ってたけど、

どこかは絶対痛いはずだ。


頭は防げたけど、

他はほとんど無防備だったし。


そう考えながら、

今日の一日が終わろうとしていた。



「はい、授業はここまで。号令。」



「起立。礼。」



今日の授業が終わった。


さ、帰るか。



「さーちゃんごめん!


今日、委員会で呼び出されちゃって。


怪我してるのにごめんね。」



また泣きそうになっているかな。



「大丈夫、

手だから帰るのに支障はないよ。


あ、ほら、

かなのこと呼んでるよ。」



「うぅぅ、


さーちゃん!

帰ったら連絡してね!」



「りょうかーい。」



「またねー!」



「また〜」



かなは急いで行ってしまった。


さ、帰るか。



私は帰りの廊下を歩いていた。


そんな時、

ふと窓の外を見てみると、

速水先生がいた。


別にいるのは普通だ。


けど、なんか変だ。


なんだろう。


私はじっと先生を見る。


あっ、歩き方だ。


やっぱり痛くなったのかな。



そう思うと私は、

速水先生の所に走り出していた。