ガンッ、ドンッ…、



「よーし!終わったわね!」



先生が背伸びをしながら言った。



「やっとですね。」



「原さん本当にありがとう!


助かったわ!」



そう言いながら先生は、

私の手を握り上下に降る。



「あはは。


じゃあ私はこれで、

さようなら〜」



私が帰ろうとすると、


先生が私の腕を引っ張った。



「待って!」



「え、ちょっ、」



ドンッ…、
ゴリッ…、



「きゃっ、」


「…いっ、」



先日降った雨のせいだろう。


引っ張られた瞬間、

私は滑ってしまった。


滑った瞬間、

私はやばいと思って先生を抱きしめた。


そしたら案の定、

先生の頭を守った私の手に、

埋まっていた石が当たった。


これが頭だったら最悪死んでたな。


ジンジンと痛む箇所を思い、

私は再度安堵する。



「あ、原さん!ごめんなさい!私!


怪我は?!大丈夫?!」



先生は慌てて起き上がり、

私を見た。


すると、私の手を見て泣き出した。



「先生…、」



「ごめんなさい!ごめんなさい!


早く保健室に…!」



「先生!」



慌てた先生を宥めようと、

先生を抱きしめる。


すると、

先生はびっくりしたようで、

固まった。



「先生。


大丈夫ですから、

落ち着いてください。」



「でも、血が…!」



抱きしめているせいか、

先生の心臓の音が聞こえる。


耳を澄ますと、

音が凄く早いのに気づく。



「先生、深呼吸。」



「あ、うんっ、


すぅーーー、はぁーーー、

すぅーーー、はぁーーー、

すぅーーー、はぁーーー…、」



そう続けていると、

だんだん音が正常になってきた。



「先生、落ち着きました?」



「…うん。


ごめんね、取り乱してしまって。


もう大丈夫、ありがとう。


さぁ、保健室に行きましょう。」



「はい。」



二人で保健室まで歩き出す。



「痛いところは?


手だけ?他には?」


先生が顔を覗き込んでくる。


「大丈夫ですよ。


手以外は痛くないです。


先生こそ、

私の下敷きになったじゃないですか、

大丈夫ですか?」



「私は特別痛いところはないわ。」



「無理はダメですからね。


痛かったら病院行ってくださいね。」



「あら、

これじゃあどっちが教師か分からないわね。」



「ははっ、そうですね。」