今日最後の授業、
体育が終わり各々帰っていく。
「さーちゃん♪着替え行こ〜」
私の可愛い友達、
かなだ。
「うん。」
帰ろうとしたが、
体育館を出ようとすると呼び止められた。
「原さん!体育係だったよね!
ちょっと手伝ってくれない?」
「あ、はーい。
ごめんかな、ちょっと行ってくる。」
不貞腐れるかなに謝りながら、
先生の元へ行った。
「速水先生、
何するんですか?」
「あ、ごめんね、ありがとう。
この大きいの何個かあるでしょ?
それを今日中に外に出さないといけなくて。」
「え、急ですね。」
「そうなのよ。
体育の先生がインフルで、
今日から来てないでしょ?
それで私に回ってきたんだけど。」
速水先生はガックシと肩を落とした。
まぁ、確かにこの大きいのを、
女の人一人では無理だよね。
「よし、速水先生。
さっさと終わらしましょう。」
速水先生の顔がパァっと明るくなる。
「ありがとうー!」
満面の笑みを見せる先生は、
とても25歳とは思えないほど、
幼く見えた。
「じゃあそれからやりましょうか。」
「はーい!」
私が言うと、先生が返事した。
これじゃあどっちが先生やら分からないな。
私はそう思いながら体を動かした。