「日常生活にさ、ちょっとした刺激が欲しいなっておもうんだけどね、」

長い茶髪を揺らしながら唐突に話し始めた芽生は私の1番の友達だ。ちょっと抜けてるところもあるけどこんなに良くしてくれる友達いないとおもう。

「急になんなの?たとえば、どんな刺激が欲しいの?」

「ほんとにちょっとしたことでいいんだよ?高望みはしてない!例えばね、ある日起きたら特殊能力的なのが使えるようになってたりさ」

「十分すぎるよ...」

「そうかなあ?じゃあもしさ!時分が特殊能力使えるようになったら何使いたい?」

「えぇ~結構悩むなあ…芽生は何使いたい?」

私がその質問をしたと同時に頭上から声が降ってきた。

「芽生は学力身につけなきゃだろ」

「慎太郎!何それひどい!」

彼は慎太郎。幼馴染4人の1人で芽生の彼氏。背が高くて顔は普通。小さい頃から一緒に居るからこのやり取りも見飽きたって感じだ。

「あはは...おはよ。慎太郎。家出るの遅いんじゃない?」

「それなら一樹だって遅いわ!」

「あっ!そうだ慎太郎!一樹は!?ちゃんと起こしてあげた?」

「あー忘れてたわ。今頃急いできてんじゃねえの?」

頭をボリボリとかきながら首を傾げる慎太郎に芽生が蹴りを入れる。

「馬鹿!一樹が朝弱いの知ってるくせに!」

芽生の大きな声が教室に響く。

「一樹は朝に強くなる能力身につけないとなあ」

「話逸らしてんじゃないわよ!」

その光景にクラスメイトが野次を入れはじめた時

キーンコーンカーンコーン


チャイムがなった。