あ「ゆぅ…も、むり、」



目に涙を溜めてそんなことを言うあかり。
いつもは可愛くて「じゃあやめよっか」とか言っちゃうけど、…ごめん。今日の俺はそんなに優しくないんだ。




優「頑張れ、あとこの一杯だけなんだから」




そう言ってスプーンを口元に持っていっても、彼女は首を横にふるふると振るばかり。




このままだと、絶対飲まないな…









おぼつかない、でも異常なまでに興奮してる意識の中、俺がとった行動は結構自分でもびっくりするくらい大胆なものだった。






あ「ちょっ…!何してるの、優…」









その声を無視して、媚薬ココアを一気に、殆ど飲みほした。








あ「そんなに一気に飲んじゃって、大丈夫なの…?」







優「大丈夫だよ」






…うそ、ごめん。全く大丈夫じゃない。





そして、3分の2くらいの量を一気に飲んだあと、残りを口に含み、俺の飲みっぷりに呆気にとられているのか、ポカーンとして、口が半開きになってるあかりの半開きの口に、自分の唇を押し付けた。




あ「ん!?っん…ふ、っん…」



媚薬入りココアを口移しで飲ませた後、あかりの口の中を、舌を、思いっきり堪能する。



媚薬の所為でいつもよりだいぶ敏感になってるから、舌を絡ませる度にピクピク反応してる。これ以上のことやったらどーなっちゃうんだろ、なんて興味が湧いてしまった俺も、充分媚薬に侵されてるんだろう。




リップ音を立てて離れたそれぞれの唇には、互いを繋ぐ銀色の糸。







あ「っはぁっ、…ゆぅ…なんでぇ…」





優「…あかりが媚薬について教えて?って言ったじゃん」





あ「っう…」






そうだ。あかりがこんなこと言わなきゃ、媚薬なんか飲まなきゃ、俺はまだ理性を保っていられた自信はあったのだ。





だから、さ?







優「責任とって?あかり。…寝かさないからね、今夜は。」







俺をこんなんにした責任、ちゃんと取ってもらわなきゃ。











あ「…寝かさないで、…私のこと食べて?」










まあでも。
理性がぶっ壊れて、欲に忠実になったあかりのこんな姿初めて見るから、たまには媚薬も良いかも。なんてね。













優「ふっ…じゃあお望み通りに







…いただきます」









ココアよりも甘い夜の始まりだ。