しばらく歩き、かけるは三階建ての立派な家に着く。ここは高級住宅街として有名な場所だ。

「入って」

修也はかけるを素早く家の中に入れ、扉を閉めた。そして、かけるの肩を掴む。

「斎藤くん…だったよね?このことはその…内緒にしてくれないかな?」

そう言う修也の顔はとても真剣だ。どんな表情でもイケメンはイケメンなのかとかけるは思った。

「このことって?」

かけるが首を傾げると、「この子たちのこと!」と修也は沖縄ちゃんと北海道ちゃんを指差す。

「この二人はコスプレイヤーなの?」

かけるが訊ねると、修也は「違う」と一瞬で否定した。

そしてかけるの腕を掴み、広い廊下を歩いてリビングへと連れて行く。

扉を開けると、かけるがテレビでしか見たことがない広い空間が広がっていた。置かれているテレビやソファも高級なものだ。

しかし、それ以上にかけるが驚く光景がそこにはあった。それはーーー。

「ご主人様、抹茶を使ったプリンを作りました。どうぞあとで召し上がってください」

袴姿の美少女が現れる。それは、美少女都道府県の京都ちゃんだ。

「あら、そちらの方は?」

京都ちゃんが訊ねる。かけるはドキドキしながら、「クラスメートの斎藤かけるです…」と挨拶をした。

「ご主人様!今日の夕飯はお好み焼きはどう?あたしが心を込めて焼くよ〜!!」

ショートパンツに茶髪の女の子が修也に抱きつく。大阪ちゃんだ。

「何言ってるの!広島のお好み焼きの方がおいしいわ!」

そう言って現れたのは、紅葉の髪飾りをつけた女の子。広島ちゃんだ。