「ていうか、斎藤くんはどうして都道府県の擬人化した女の子たちがここにいるのか訊かないの?普通は訊くでしょ?」

修也が女の子たちに囲まれながらそう言うと、かけるもハッとして「そうだった!それ、聞きたかったんだ!」と声を上げる。

「この子たち、画面から出てきたみたいにそっくりなんだけど…」

「それはそうだよ!画面から出てきたんだから!」

「えっ?」

頭の上にクエスチョンマークを浮かべるかけるに、修也は黒い小さな装置をそっと取り出した。

「この装置は、僕が作ったんだ。この装置を起動している間は、都道府県ちゃんたちが自由に僕の家で過ごせるんだよ!」

愛おしそうに修也は装置を撫でる。それ、どうやって作ったの?とかけるは聞きたくなった。

「というか、三井くんもこのゲーム好きだったの?リアルですごくモテてたしこのゲーム知らないと思ってたんだけど…」

そうかけるが言うと、修也は真顔でモテないかけるを嘲笑うような発言をした。

「僕、リアルの女の子って興味ないんだよね」

「…は?」

「いや、女の子からいつも告白されるけどさ、僕はこっちの子たちの方が好き!ハーレムだし、家事も何もかも文句の一つも言わずにしてくれるしね」

かけるは修也をぶん殴りたい衝動を懸命に堪える。

「斎藤くん」

また真面目な顔で、修也は言った。

「僕が、都道府県ちゃんたちと一緒に生活してるってことは、絶対に内緒にして?そしたらこの家にいつ来てもいいからさ〜」