『君の名前は なんて言うの?』
「お前みたいな天使に名乗る気は無い」
『そっかー 仲良くなりたかったから気になったんだけど ダメだったかな?』


この時の俺は、こいつの事を"鬱陶しい天使様"としか思っていなかった。堕天して黒く染った羽を見て笑うやつ蔑むやつばかりのこの世界
何も知らないような顔をして話しかけてきたこいつ
何を企んでいるのだろうか

『あっ 俺がなのってなかったね!俺は海社(かいと)よろしくね!』

この時にちゃんとフルネームで聞いておけばこんなことにはならなかったのかもしれない。

「お前天使だよな 自分の行動分かってんのか? 堕天使とは仲良くしちゃ行けないって学校で習っただろ」
『あー堕天使なの? 気にしてなかったよ 綺麗な羽だなとは思ってたけどね』

その一言が俺を救ったなんて こいつは天使の中で唯一俺を認めてくれたやつなのかもしれない

そんな甘い事を考えていた俺のことを嘲笑うかのように周りの視線は冷たく冷ややかになっていった