「なら、教え会えるね!」

「…………」

「うわ、明らか嫌そうな顔しやがった」

「伝わった?」


ハッと私を小馬鹿にしたように笑って「戻るか」って言いう佐倉に、プクッと頬を膨らませて見せればまた笑われた。


佐倉といる時間は、いつも穏やかに流れる。
だから、忘れられた。


佐倉といる時はいつも、



「……芽唯?」

「っ!?」



弥一のことなんか、考えなくて済んだのに。
それなのに……。


私を呼ぶ声に振り返れば、そこには片手にゴミ袋を持った弥一がいて。

なんでこのタイミングで?って思う。
今日に限って、弥一とばったり遭遇するなんて。
……最悪すぎる。



「昨日、俺なんか気に触ること言ったか?」

「弥一……」

「ラインも読まないし、電話もでないから」


"心配してた"なんて、顔を歪ませないで欲しい。
嘘ばっかり。


「……ごめん、昨日あれから忙しくて。疲れて早く寝ちゃったから」

「芽唯?俺の目、ちゃんと見て」


ゴミ袋をその場に置いて、ゆっくり私に近づく弥一。隣の佐倉は弥一を真っ直ぐ見据えたまま、何も言わないけれど

私を置いて帰ろうとはしないでいてくれる。